作家、演出家、前川知大の鈍ら(ナマクラ)な日々。時々切れ味の良い日も。かなり不定期更新。
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前川知大          (まえかわともひろ)

  • Author:前川知大          (まえかわともひろ)
  • 海の生き物とキノコと豆、乾物が好きです。F1と料理が好きです。UMAや地獄の関係者も好きです。漬物だけは勘弁してください。
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2008.02.03 Sun
節分は祭である
6日開幕「ウラノス」の最終通し稽古を観に行ってきた。
自分の台本とはいえ、稽古段階をほとんど見ていないので
まるでお客さんのように観てしまった。
演出も俳優も力強く、劇場で完成した姿が楽しみである。
稽古後の飲みに参加したかったが、仕事が残ってたので離脱。
酒飲み達から背中に軟弱者とそしりを受けつつ稽古場を出る。

さて、今日は節分である。
うかつにも部屋に召喚した鬼を魔界に送り返すため、欠かせない儀式である。
稽古帰り、「豆を買ってこい」と家人に連絡を受ける。
雪も降っていたし、コンビニで良かろうと駅を出てミニストップに入った。
季節の棚は既にバレンタイン物に変り、豆は無い。探しても無い。
豆ぐらい前日までに買っておけということだろうか。
店内をうろうろするが、やはり豆はどこにも見当たらなかった。
この店は節分をなめてやがる。
と思ったが店員に「豆はあるか?」と聞く勇気はなかった。
というか選択肢として上がらなかった。私は店員という存在がそもそも苦手なので、
なるべく関わり合いにならないようにしている。向こうとて同じ気持ちだと思う。

家にストックされた豆類を思い出す。
封をあけたレンズ豆があったはずだが、小さいし乾物ってのもなぁ。
だったらBB弾の方がまだ大豆に近い。
一般的な豆コーナーの前に立つ。並ぶのはバタピーやカシューナッツ、アーモンド。
お酒のお供、おつまみである。決してブン投げるためにあるものではない。
がしかし、ここはしょうがないのではないか。もはや。
この雪の中、店をハシゴするのは正直キツい。
心が痛いが、妥協するか。そう決意した時点で既に10分は経過していた。
普通にピーナッツかな、と思うが油分や塩が床を汚すことは避けられない。
鬼の代わりにゴキブリが入ってくる可能性もある。
見た感じアーモンドは比較的被害が少なそうだ。
棚に並ぶ豆野郎に一人ひとりコメントを付けていく私。
しかしどいつもこいつも添加物にまみれ、カラリとした煎り大豆の清潔感にかなうものはいない。
そんな中、意外な奴が名乗りを上げる。ピスタチオである。
殻が付いている。これなら床を汚すことも無く、そのうえ拾ったら食べられるじゃないか。
お前、いいぞ。
これはもはや代用品ではない。食べ物を粗末にしない心が出した節分の解決法である、
と妥協した敗北感すら癒すピスタチオ。300円也。

しかし喜んでばかりもいられない。一つ、問題がある。
それはピスタチオ一袋持ってレジに行った場合、店員にこう思われてしまうことだ。
「こいつ、大豆がないからって、節分にピスタチオを使うつもりだ。かわいそうな人だなぁ」
耐えられない。そんな風に思われるのは耐えられない。
店に入ってすぐピスタチオを持ってレジに向かったら、それはそれで潔い感じすらする。
しかし既に15分は経過している。熟考のすえ至った結論としては、今一つ、弱い。

籠にビールを追加してみた。
ピスタチオとビール、それが私のライフスタイル、そんな顔をするのだ。
むぅ・・・。悪くないアイデアだが、やはりまだ説得力に欠ける。
「節分をピスタチオで過ごすことを誤魔化すためにビールを買っているな、こいつ」
と店員に思われたら恥の上塗りである。用心深い私は、決して店員の洞察力を過小評価しない。
チーカマとポテチと追加してみた。
どうだ。これで私は完全に、仕事帰り、家で軽く一杯やろうとしている三十代男性じゃないか。
20分は経過している。このおつまみラインナップにこれほど時間をかけるのはリアリティに欠ける気もし、乾き物以外にも足を伸ばしてみたところで我に帰る、別に私は酒が飲みたいわけじゃないのだ。

ようやく私はレジに向かう。
店員よ。これでもうお前にどうこう言われる筋合いはないぞ。黙ってバーコードを読み取るがいい。
勝ち誇ったようにレジカウンターに商品を並べたところで、私は愕然となった。
なんとレジ脇に、節分用の煎り大豆があるではないか。
残り3パック。売り切れ寸前ゆえにこの配置なのか。分からない。200円。ありえない。
私は軽いパニックに襲われ、肉まんの群れがケースの中でカタカタと笑う幻覚を見た。
遠くから店員の声が聞こえる。ぼーっとする私に店員は繰り返す。「1288円です」
何? 私はただ豆を買いに来ただけなのに、なぜそのような高額を請求するのだ。
「それ全部やめて、この豆ください」
言えない。言えるはずがない。
私の設定は今、仕事帰りの晩酌野郎なのだ。
しかし動けない私。「1288円です」 うるさい分かっている。
ムキになるな私。柔軟な心を取り戻せ。

「あ、これもお願いします」
うまく言えただろうか。今気付いたように、「ついで感」を出せただろうか。
今思うと、その時私は店員を、物凄くにらんでいた気がする。悪いことをしたを思う。
私は何ともいたたまれない気分で帰宅し、コンビニ袋をテーブルに置く。
中身を並べ、私は家人にこう言った。
「節分祝いに、一杯やろう」







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日記    Comment(1)   TrackBack(0)   Top↑

Comment
Posted by イキウメン酒
ありますありますそういうのあります(笑)
すぐなら潔いけど15分は経っている・・・わかります(笑)
でも私ならビールまでですかねぇ(笑)
または飲み物は買わなくも家にあるんです的雰囲気で
小さい弁当と菓子パンとセットとか(笑)
季節限定とかイベント関連とか割とレジのところに
置いてありますよね。
売れ切れ寸前の配置ではないですね。
小さい袋等でついでに買わせようという意味もありますね(笑)
ところで、待ちに待ったイキウメン募集ですが、
なんと28歳までですかぁ~!
やっぱり30過ぎはどこかで実績作ってからじゃないと
話しになりませんかねぇ~
見た目なら28歳に見える・・・・
いやいや30代は30代ですからね(笑)今回残念です―。
芝居をやるからにはイキウメに関わらずにはいられません。
前川さん作・演出作品出演は目標のひとつです。
2008.02.06 Wed 01:42 URL [ Edit ]

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