作家、演出家、前川知大の鈍ら(ナマクラ)な日々。時々切れ味の良い日も。かなり不定期更新。
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前川知大          (まえかわともひろ)

  • Author:前川知大          (まえかわともひろ)
  • 海の生き物とキノコと豆、乾物が好きです。F1と料理が好きです。UMAや地獄の関係者も好きです。漬物だけは勘弁してください。
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2008.12.02 Tue
ヨハネの旅
引っ越した。
いくつか家具をリニューアルしたため、前の家を引き払う日、
売れるものは引き取ってもらおうと近所のリサイクルショップに来てもらった。
ダイニングテーブル、タンス、勉強机、椅子、ストーブなどなど。
体重100キロoverの店員がつぶらな目で査定する。
「えぇ…と、これ無理ッスね」
「え、全滅ですか?」
甘かった。家具は全て値段つかず。
リサイクルショップで処分してもいいけど、3万くらいかかるということで、
役所の粗大ゴミシールを勧められた。ぐぐぐ…。
もういい、帰ってくれ。
「値段つきませんけど、この辺の小物なら持っていきますよ」
と床に置いた拡声器と、ほぼ新品のガンマイクを指す巨人。
好きにしろ。
「ありがとぅございやしたー」と相撲レスラー、1円も払わず拡声器とマイクを手に入れて退出。

お前、ただの泥棒じゃないのか?

すぐに役所に電話して粗大ゴミの依頼をすると、5千ほどですんだ。
初めからこうすれば良かった。
少しでも金にしようというセコい考えはいかんということを学んだ。

新居の家具は劇団員の浜田と緒方に来てもらい組み立てる。
緒方は舞台セットを立て込む時に重宝されるほど優秀なDIY野郎だが、浜田は怪しい。
上下、左右、表裏と二分の一の確立でしか間違えようのない物を連続して間違えている。
コイントスですら、そんな連続で間違えられないぞ。わざとか?
危険なのですぐに閑職に追いやった。
浜田が「あ…」とか言いながら組み立てた引き出し付きテーブルを使っているが、
まったくもって不安である。

NTTに電話の引越しを申し込む時、新居住所の番地が間違っていないかと指摘された。
おかしいなと思い、新居の契約書を見てみると間違ってはいない。
不動産屋に電話してみると、契約書が間違っていたらしい。
ささいなミスで、例えば1-5なのが、1-15となっていた、そんな手違いだった。
引越し予定日を目安に、ネットで買ったものなどは間違った番地を宛先にしていたので少し不安ではあった。
しかし建物名が明記されているので、宅配便は続々と問題なく届いた。さすがである。
引っ越して一週間、一つだけ届いていないものに気が付いた。
それはネットで買った書籍で、既に出荷メールから一週間は経っている。
メールを確認すると、サインの要らないポスト投函タイプの宅配だった。
私は以前ネット書店で働いていたので良く知っていた、このタイプは誤配が時折あることを。
今回は宛先が間違っているから誤配ではないのだが、建物名などを確認しなかったのだろう。
私の買った書籍は他人のポストに投函されたに違いなかった。

先月、三鷹で上演したイキウメ短編集の一本に、聖書のヨハネの黙示録を題材にした話がある。
聖書についての興味が続いていたこともあり、今回私の買った書籍は、
ヨハネの黙示録についての書籍だった。
それも聞いたこともない団体が出版した怪しげな書籍で、ネットオークションで発見したものだ。
新解釈・世界の破滅、とかそんな惹句のついた、あんな本が間違って届けられたら、
ちょっとした嫌がらせだよなぁ、と思いつつ、
間違った住所の家を地図で探す。番地違いなので徒歩2分の距離だった。
行ってみよう。

行ってみた。行ってみて驚いた。
そこは、教会だった。マジか、なんというシンクロ! 呼ばれてんのか?
呼ばないで欲しい。アポカリプスナウだ。
教会といっても、雑居ビルのワンフロアーに入っているタイプで、簡素な看板と十字架が掲げてあるだけ。
お気軽にお入りください。と書いてあるが、中は良く見えないし、入りづらいなぁ。

→ポストをあさった。
駄目だ、よく見えない。
そして、ドアの前で考えていると、関係者に見つかった。
「なにか?」
「あ、えーと、あの、本が、あれかなと、いや」
後ろから声をかけられ、完全にキョドった。30過ぎか、同年代の女性である。
「…え?」
聞き返された。そりゃそうだろう。冷静になるんだ、私よ。
「ちょっと手違いがあって、僕の本がこちらに来てるんじゃないかと思って、ええ」
「あ、本の返却ですか?」
あぁ、聖書関連の本とかね、貸し出しとかしてるんだろうね、あるだろうねそういうの、教会だし。
違います。私の説明が、言葉が足りないのだな。もっと分かりやすく言え、私よ。
「いや、荷物を、の、宛先を間違ってこちらの住所にしてしまい、届いているのではないかと、そう思い、来た次第で、あります」
しまった、語尾が軍人だ、が、まあいい。そういうことなんだ。分かってくれ。

「あぁ、荷物ですか、どんな荷物ですか?」
「本なんで、小さいと思います。こんくらい」
「ちょっと待ってくださいね」

ふう。女性は奥へ入っていった。
待つ。
女性戻り、「荷物は無いみたいなんですけど、どういった本ですか?」
「ヨハネの黙示録に関する本なんですけど」

余計なこと言った。完全に信者だ。
まぁいいか、怪しい教会じゃないし。逆に一般家庭だったら怪しまれるところがスルーだ。
「ああ、見てきますね。寒いんで中入っててください」
と女性はまた奥へ引っ込む。
待つ。
女性、3冊の本を持って戻る。全てヨハネの黙示録関係。分かるけど、さくっと出てくるのがすごい。
しかもオジサンまでついてきた。あぁ、なんか変なことになってるなぁ。
一応本をチェックして私、
「あ、違いますね。それに荷物の住所はこちらなんですけど、建物名や宛名は僕の名前で来てると思うんで、多分開封してないんじゃないかと思うんですよね、普通」
ああー、なんか、勝手に開封してんじゃねーよ、みたいに聞こえたかもしれない。
微妙な間のあと、オジサンが口を開く。
「え? どういうことですか?」
話ぜんぜん通ってねぇ。
「だから、」という私の言葉を遮ってオジサン、
「聖書ですよね?」
「ええ、ヨハネの、ヨハ、」
「え?」
「ヨヨ」
「ヨハ、え?」
どーでもいいから俺のヨハネの黙示録を出しやがれぇえ!

→はい。かるくキチ○イと思われました。

ジーザス。無いなら無いと言ってくれ。
「すいませんでした。失礼します」
と妙な汗をかきつつ撤退。
何かいろいろ失敗した気がする。これから駅へ向かうたびにあの教会のまえ通るのやだなぁ。

数日後、問題の書籍が我が家のポストに投函されていた。出荷されてから約10日後だった。
ふざけんなよ!と宅配業者に呪詛の言葉を吐きつつ、
いや、待てよ、ひょっとしたらあの教会にやっぱりあって、こっそりウチのポストに。
いやいや、神を疑うべきじゃないな。
にしてもこのヨハネは、いったいどんな旅をしてきたんだ?





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Comment
イエス様のお導きで Posted by ミセスシェパード
あなた様のブログにきました。いや「エクスペリエンス」と頭にずっと響いていたので、検索したのです。「ヨハネ」タイトルにあったので、ブログを開きました。まさに今、黙示録のシナリオ通りに世界は動いていますよ。豚インフルエンザの予告もちゃんと書かれています。黙示録の最後の章をも読んで、生きた本物の神様を畏れて礼拝して下さいね。働きながらイエス様を伝えている、おばさん伝道者です。やはり神様のお導きだと思いますよ。是非プロテスタントの礼拝に行って下さいね。尾形守牧師もいいですよ。
沖縄より。クリスチャンおばさんです。
神様の恵みと祝福がありますように!

2009.05.17 Sun 07:06 URL [ Edit ]

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