作家、演出家、前川知大の鈍ら(ナマクラ)な日々。時々切れ味の良い日も。かなり不定期更新。
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前川知大          (まえかわともひろ)

  • Author:前川知大          (まえかわともひろ)
  • 海の生き物とキノコと豆、乾物が好きです。F1と料理が好きです。UMAや地獄の関係者も好きです。漬物だけは勘弁してください。
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2011.11.09 Wed
奇ッ怪から太陽へ
「奇ッ怪 其の二」が幕を閉じ、窪田の事件が一区切りし、「太陽」の稽古もあっというまに終わり、もう青山円形劇場に入っている。今年最後の公演である。

「奇ッ怪2」では能と狂言というテーマと散々格闘した。
観たり読んだりするうちに徐々に楽しめるようになり、理解が進み視界が開けてくると、その奥行に途方に暮れ、
「勉強はしてみたが、何を手がかりにしていいか分からん」
と稽古が始まる前にぐったりしてしまった。
最終的には能の根本にある「鎮魂」という大テーマと、夢幻能という能の物語形式を借用した。
では何を鎮魂するかとなると、震災以外に無いだろう。
それをどのように語るべきか。書くべきことは決まったが題材が題材だけに、距離感がつかめない。前作(奇ッ怪1)のようなテイストとも違う気がする。
台本も演出方針も定まらないまま、稽古に突入してしまった。
連日、稽古の半分は話し合いで終わった。
稽古場で俳優やスタッフから意見をもらい、台本も演出もどんどん変えた。
稽古終盤になるまで私は、一貫性が無いという点においてのみ、一貫性があった。大変な稽古場である。付き合ってくれた皆様に感謝である。

「奇ッ怪2」が終わったら直ぐに劇団公演の準備。
「太陽」はベースとなる台本「双魚」があるからとちょっと油断していたところがある。「双魚」は2006年の中編、読み直してみると、どうもピンと来ない。5年も経つと時代も私も変わっているのだなぁ、としみじみ思い、焦る。完全書き直しだ。これまた七転八倒し、結局世界観を使っただけで、新作となった。でもそれが良かったと思う。
まだまだ稽古不足だが、確実に面白くなりつつある。プレビューとその後に一日取った修正日がキモだ。
あ、でもこういうことを言うと、後半の方が完成度が上がってるはずだから後半に観に行こう、というお客さんが増えるような気がする。自分の周りでもそういう声聞くし。
大丈夫です。何が大丈夫なのか分からないが、大丈夫だ。
むしろ熱量ある前半の方がいい。俳優も元気だし。
私はほぼ全ステージ観るが、実際良い回が後半に集中するということもないのである。初日の出来を越えられんなぁってこともままあるし。
ま、演劇は日々変わるものなんで、結論としては、どっちでもいいか。
ということで、もうすぐ始まります。

* * 

ご報告。劇団員の窪田は退団することになりました。
詳しくはこちらを御覧ください。
沢山のご心配の声をいただき、とても勇気づけられました。
ありがとうございました。


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