作家、演出家、前川知大の鈍ら(ナマクラ)な日々。時々切れ味の良い日も。かなり不定期更新。
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前川知大          (まえかわともひろ)

  • Author:前川知大          (まえかわともひろ)
  • 海の生き物とキノコと豆、乾物が好きです。F1と料理が好きです。UMAや地獄の関係者も好きです。漬物だけは勘弁してください。
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2006.11.30 Thu
ナイスとドラクエ
DQ1.gif

先日、我が劇団の森下氏が出演している東京ナイス「9日目にはもう飽きている」の、ポストパフォーマンストークに参加した。
終演後のトークは2月の演出家コンクールと10月のハイバイに続き今年三回目。
初日に観劇し、自分の読解力の乏しさと作品の難解さにうろたえた。
資料として脚本をいただき早々に自宅へ敗走する。

作演出の岡田氏は、自分の作品は退屈だと言っていたが、根底にある問題意識に共通点があったため興味深く観れた。ただそれを語る言語が当然だが自分とは違うのでいささか当惑してしまった。
自宅にて脚本を読む。沢山の発見があった。
物語は、日常的な風景という体裁をとっているが、その下には意外な構造が隠されていた。
膨大な設定とサブテキストに支えられた退屈さ、は、思いつきで書かれた「あるある」系の共感しか呼ばない小劇場でよくある退屈な日常芝居とは大きく違う豊穣さを持っている。
暗示的なシーンに散りばめられた抽象的な言葉たちは、観客個人の経験に基づき還元される。
ただ岡田氏が「同時代の人には共通言語と思っていたものが必ずしもそうではなかった」と言うように、一般性は低く、エンターテイメントとしては成立しにくい作風であるのは否めない。

トークの最後でドラクエ?の話になったのだが、中途半端になったのでここでまとめる。余計なお世話かと思うが。
劇中でドラクエ?をプレイしながら主人公は言う。
「寂しくなったり、不安になったりする?」
ドラクエは?以降パーティになるのでたった一人で荒野に投げ出されるのはこの?だけ。
「この一人ってところがキモだ。」と岡田氏。
竜王(ラスボス)から世界を救うため頑張ってるのに、宿屋や武器屋はしっかり金を取るし、住人は何かと交換条件を出し勇者に非協力的、と劇中の勇者はぼやく。
確かにそうだ。ドラクエ?の世界の住人は竜王にさほど困る様子も無く平凡に生活している。それは世界を変えることができないという諦念だろうか。打倒竜王に燃えているのは勇者だけで、カニ歩きしながらふと我に返ると、自分はドン・キホーテじゃあるまいかと思う。
ドラクエは神話でよくあるイニシエーション(通過儀礼)の物語だ。
血縁の正統性を持つ主人公が王(父)の指示通り竜王を倒し、社会的承認を得る。そして姫を妻にとる。この構造の中では、竜王を倒すことは勇者の個人的な問題に過ぎないのかもしれない。
勝手に世界を背負って孤独になる思春期特有のあの気分だ。

ドラクエ?の面白いところは、レベルの上がり方と物語の進み方が実年齢に近いところだ。
竜王を倒しえる力を持つのはレベル19~21。二十歳前後で大人になれよってことか。
囚われのローラ姫を助け出す力を持つのはレベル15前後。この頃には童貞を捨てろということか。しかしこの手の物語の多くがボスを倒して姫を救うのに対し、ドラクエ?は姫の救出とボス打倒は別イベントとなっている。実際ローラ姫を救出しなくても物語を終わらせることができる。思春期の大問題である「モテ」という要素を括弧に入れたのは堀井雄二(シナリオ)の優しさか、それともリアリズムか。
いつ竜王を倒してゲームを終わらせるかは自由だが、レベルは30までしか上がらず、それ以降はいくら雑魚を虐殺しても成長はしない。モラトリアムは30までということである。
まぁ僕らにとって問題なのは、竜王がどこにいるのか分からず、ローラ姫という幻想に踊らされているこの日常ってことだ。



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